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水産資源への影響拡大!国内由来外来種のガンガゼを捕獲・有効活用して藻場を回復 【持続可能な漁業と地球環境保全を目指して】

カテゴリー:食・農林水産業・商工業 

main_img 達成

寄付金額 3,230,000

215.3%

目標金額:1,500,000

達成率
215.3%
支援人数
83
終了まで
受付終了

佐賀県NPO支援(さがけん えぬぴーおーしえん)

寄付募集期間:2021年11月10日~2022年2月8日(90日間)

佐賀県庁 × NPO法人 浜-街交流ネット唐津

プロジェクトオーナー

藻場は、アラメやホンダワラ等の海藻が繁茂する海域です。藻場は、アワビやウニ、サザエなどの餌場であるとともに、魚類等の産卵場や稚魚の育成の場としての役割や食料生産の場としても重要な役割を担っています。また、水中の窒素やリンを吸収して海水を浄化する機能や、二酸化炭素を吸収・固定することで、地球温暖化の影響を緩和する機能も有しており、地球環境を維持する大きな役割も担っています。
今、佐賀県玄海灘沿岸域の藻場は、これまで分布していなかった大量に海藻を食べる南方系のガンガゼ(ウニ)等の有害生物により食害を受け海藻がなくなる「磯焼け」が増えています。「磯焼け」は、藻場が有する多くの機能が失わていることを示すとともに、漁業生産にも大きく影響を及ぼしています。
今回のプロジェクトでは、漁業者がこれらの有害生物の捕獲を行い、NPO法人 浜-街交流ネット唐津が買い上げて水産加工品として有効活用を図ることで、藻場を回復させ、漁業者の支援を行います。なお、開発した加工品売り上げは、当NPO法人の環境保全に係る活動資金として活用させていただきます。

磯焼けが及ぼす、漁業生産と地球環境への悪影響に歯止めを!

藻場は、海の生き物を育て、地球環境を保全する役割を担っています

藻場

藻場は、沿岸域で海藻が繁茂している場所です。藻場の役割は、アワビやウニなどの藻食性介類の餌場、また、魚類などの産卵の場そして稚魚育成場など、生物にとって多様で重要な役割を果たしています。

また、一方で、陸域から流入する有機物や窒素やリンなどの栄養塩を吸収して水の浄化を行うとともに、光合成による二酸化炭素吸収、酸素供給など地球環境保全の重要な役割を果たしています。

いま、生き物にとって重要な藻場が無くなりつつある

ところが、近年、地球温暖化の影響により海水温が上昇しており、その結果、これまで唐津の沿岸域には生息していなかった南方系で大量に海藻を食べるウニ類のガンガゼが増え、藻場の消失(磯焼け)が広域でみられています。ガンガゼは、アカウニやムラサキウニに比べ味が劣ることから商品価値が低く漁獲対象となっていません。

その結果、ガンガゼが増えすぎて磯焼けした海域では、本来生息するアワビやウニ等が減少し、海士漁をはじめ漁業全体に大きな影響を及ぼしています。

現在、地球温暖化対策として二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標が示されています。これまで二酸化炭素吸収源として森林による吸収・固定(グリーンカーボン)が大きいとされてきましたが、2009年、国連環境計画(UNEP)が報告書『ブルーカーボン』を発表し、CO2吸収源としての海の可能性を提示しました。

地球温暖化対策として藻場の回復が期待されています。

【参考】海の森 ブルーカーボン CO2の新たな吸収源(国土交通省港湾局 2021年3月)

磯焼け

ガンガゼを有効利用しながら藻場を回復させたい!

藻場回復による持続可能な漁業と地球温暖化対策

【1】ガンガゼ捕獲による藻場回復とガンガゼ加工品開発

ガンガゼは、旨味成分も含んでいますが、苦味やえぐ味成分も含んでおり、アカウニなどに比べ市場価値がなく漁獲対象とならず、そのため増え続けています。

そこで、NPOでは、漁業者が捕獲したガンガゼを買い取ることで、ガンガゼを減らして藻場の回復を図り、持続可能な漁業を推進します。

NPOでは、現在、大学等と連携してガンガゼの苦み成分を緩和する技術を研究中で、いくつかの加工品開発に着手しています。苦味やえぐ味成分を緩和し、本来ガンガゼにも含まれている旨味成分を生かすことで、ウニ本来の美味しさを活かした加工品つくりを目指します。

開発した商品の売り上げは、次年度以降の事業費とします。

※SDG's 14.海の豊かさを守ろう(海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する)

【2】藻場回復による地球温暖化対策

小さな取り組みですが、藻場回復により二酸化炭素の吸収効果を高め、地球温暖化抑止に貢献します。

※SDG's 13.気候変動に具体的な対策を(気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る)

寄付金の使い道

・目標金額 150万円


〇ガンガゼ買上
需用費・・ 500,000円

〇加工品開発
賃金(加工職員)・・300,000円
需用費(調味料他)・・150,000円
    (加工品容器他)・・40,000円
   (消耗品費)・・100,000円
委託費(製造委託)・・250,000円
    (分析委託)・・80,000円
光熱水費・・50,000円
旅費・・30,000円

・目標金額に達しなかった場合は、規模を縮小して実施します。
・目標金額以上の寄付が集まった場合は、規模を拡大して実施します。

藻場回復で水産資源増大と漁家経営の安定を

近年の沿岸域における水産資源の減少要因の一つに藻場消失があげられています。
藻場は、前述したように海洋生物にとっての保育場であることから、藻場を回復することで海洋生態系を回復し生産性を高めることで、漁業収入の増大につながります。

事業実施によって達成したい目標値や成果
(初年度)
・ガンガゼ捕獲:年間捕獲数 6,000個体
・加工品開発 :開発商品 2種類

令和4年度からガンガゼの捕獲と加工品開発をします


2022年4月 関係者による藻場再生検討会議開催(捕獲方法、加工方法等)
2022年5月~2023年3月 ガンガゼ捕獲
2022年5月~2022年7月 ガンガゼの加工品開発
2022年8月~ 加工品販売 

本プロジェクトに関わっている方々の声

海士漁への影響 袈裟丸水産

ガンガゼを捕獲すれば藻場は回復します

写真

私は、唐津市鎮西町で長年にわたり海士漁を行っています。
3世紀に書かれた魏志倭人伝には、唐津では海に潜ってアワビ等を獲っていたとする記述があり、昔から磯物資源が豊富な地域です。
しかし、近年は温暖化の影響による海水温の上昇とともに、それまで唐津沿岸域には生息していなかった南方系のガンガゼが分布するようになり、磯焼けが目立つようになりました。

私の漁場は、これまで時間を見つけては、ガンガゼの駆除を行ってきたこともあり他の海域に比べ目立った磯焼けはみられていません。
ガンガゼ駆除をすれば磯焼けは防げるのです。

しかし、アカウニやムラサキウニに比べ苦味やえぐ味がすることなどから市場価値は低く、漁獲の対象とはなっていません。
今回の買い上げ方式にすることで、漁家の収入の増加にもつながることから期待しています。

藻場を回復して持続可能な漁業を 東宝丸

私たちの漁場もここ数年で磯焼けが急速に進みました。
私たちは、鉾漁によるアワビやサザエ漁を行っていますので、その影響は大きくなっています。
藻場を回復することで、水産資源の増大に加え、二酸化炭素吸収にも貢献できればと考えています。

唐津の老舗旅館としてアワビやウニの仕入れが難しくなっている 水野旅館

藻場の回復で地域観光の底上げを

写真

私は、唐津で旅館を経営しており、地元産の魚介類を使っています。
最近は、アワビやアカウニ等の磯根水産物の水揚げが減っていることが心配です。
藻場を回復して磯根資源を増やし、美味しい唐津のアワビやウニをもっと提供したいと思っています。
また、地球温暖化防止に役立つ藻場回復にも期待しています。

持続可能な漁業と地球環境保全のための藻場回復にご協力ください

NPO法人 浜-街交流ネット唐津 代表理事 千々波行典

写真

地球温暖化による影響は環境、生活、産業などいたるところに大きく影響しており、漁業への影響もみられています。
温暖化を抑えるためには温暖化ガス排出の削減が急務で、私たち一人ひとりの意識向上と行動も求められています。
当法人も、使用する電力を再生可能エネルギーに変更しました。
今回の藻場回復では、水産資源回復を図るとともに、温暖化抑制の一助となればと考えています。
ご支援宜しくお願い申し上げます。

  • 2023年07月31日 10:08

    海藻が繁茂してきました

    2022年4月から藻場再生事業を開始し、2023年3月には10年間近く磯焼けしていた海域にホンダワラ、アカモク、ヒジキ等の海藻が繁茂してきました。今後も継続して取り組んでいきます。ありがとうございました。

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  • 2023年02月15日 15:10

    R3年度ふるさと納税GCF寄附金を活用した「藻場回復事業報告」 令和5年2月15日

    令和4年4月から開始しました佐賀県唐津市駄竹地区の藻場再生事業から10ヶ月たちました。ここ数年の間、磯焼けで海藻がすべて消滅していた海域ですが、今月の潜水調査では、まだ少ないものの海藻の新芽が出現しています。種類はまだ同定していませんが、ホンダワラ類、ワカメ等です。

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  • 2022年07月27日 11:00

    4月から藻場回復事業に取り組んでいます。

    4月に磯焼けした海岸をネットで仕切り、7月上旬までにその中のガンガゼ等の藻食性生物の駆除がほぼ終了しました。7月17日には、アラメやホンダワラ等のもともと自生していた海藻をスポアバックに入れて海中に投入し、次のシーズンまでモニタリング調査を継続していきます。また、加工品開発については、ガンガゼ特有の苦味やえぐ味成分を大幅に緩和し、ウニ本来の旨味成分を活かしたウニパスタソースを開発しました。9月には販売を開始し、売り上げの一部は、次年度の事業費の一部として活用します。

    関連リンク

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佐賀県NPO支援

私たちが活動する佐賀県玄海地区(唐津市、伊万里市、玄海町)は、好漁場でもある玄界灘に面しており古くから漁業が盛んな地域です。玄海国定公園にも指定され、多くの松原や自然景勝地に恵まれ、また朝鮮半島 などとの交流に関係する文化史跡も多く残っています。