~バフェット太郎流~ 

米小型グロース株投資の極意

 

<目次>

 

1小型グロース株の時代がやって来る理由

 ・GAFAMブーム終焉と利上げの打ち止め

 

2小型グロース株投資で大切なこと  

   ・金利  

   ・四半期決算

 ・売上高成長率  

   ・チャート

 

3小型グロース株投資で注意すべきポイント

 ・ポートフォリオ

 ・銘柄数

 ・売買タイミングと保有期間

 

4moomooで小型グロース株を分析する方法

 

 

5米小型グロース株一覧(厳選20銘柄) 

 

 

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1小型グロース株の時代がやって来る

 

バフェット太郎です。

 

世界の株式相場には10年単位の長期上昇波動が存在します。

 

50年代:ドイツ株ブーム
60年代:米国株ブーム
70年代:金ブーム
80年代:日本株ブーム
90年代:ドットコムブーム
00年代:BRICsブーム
10年代:GAFAMブーム

 

そして、いずれのブームも次の時代に長期停滞局面を迎えたことを考えると、10年代にブームになったGAFAMはこの先、長期停滞局面を迎えると考えた方が自然です。

 

実際、アップルの7-9月期決算は売上高成長率が前年同期比-1%と、4四半期連続のマイナス成長を記録し、かつての勢いは見られません。

 

また、GAFAMの5銘柄だけでS&P500の時価総額のおよそ4分の1を占めていることを考えると、GAFAMが長期停滞局面を迎えれば、S&P500の上値を重くする可能性があります。つまり、S&P500インデックスファンドに投資をするパッシブ運用も冬の時代を迎える可能性が高いのです。

 

しかし、それは米国株がすべてダメだということを意味しません。

 

たとえば、米国株の中には売上高成長率が前年同期比+30%以上のグロース株はたくさんありますから、そうしたグロース株に投資をすることで、資産の最大化が目指せるのです。

 

とりわけ、FRBのパウエル議長が11月FOMCで利上げの打ち止めを示唆したことを考えると、今後マルチプル・エクスパンション(PERの上昇)が起こることで、高PER株の多い小型グロース株ほど人気化する可能性が高いです。

 

ただし、小型グロース株に投資をする場合は、投資のスキルが必要になります。そこで、「バフェット太郎流 米小型グロース株投資の極意」を紹介します。

 

 

★★★

 

 

2小型グロース株投資で大切なこと

 

<金利>

小型グロース株投資で最も大切なことは「金利」です。

 

そのため、パウエル議長が11月FOMCで利上げの打ち止めを示唆したことで、小型グロース株の時代がやって来たと考えることができるのです。

 

なぜ、金利が大切なのか?というと、それは金利が会社の値段(時価総額)に大きな影響を与えるからです。

 

そもそも、会社の値段はC÷(r-g)というシンプルな公式によって導くことができます。

 

C:キャッシュ(現在のキャッシュフロー)
r:割引率(金利)
g:成長率

 

たとえば、Cを100、rを5、gを2とした場合、会社の値段は33になります。

 

次に、Cを100、rを4、gを2とした場合、会社の値段は50になります。

 

これは、割引率(金利)が小さくなると、会社の値段が上がることを意味します。

 

また、Cを100、rを2、gを1とした場合、会社の値段は100になります。

 

つまり、割引率(金利)が極端に下がれば、たとえ成長率が下がっても会社の値段は上がるのです。

 

ちなみに、Cを100、rを7、gを3とした場合、会社の値段は25になります。

 

これは、割引率(金利)が極端に上がった場合、成長率が上がったとしても会社の値段は下がることを意味します。実際、22年にFRBが急ピッチで利上げを進めたことで、小型グロース株は軒並み大暴落しました。

 

しかし、パウエル議長が11月FOMCで利上げの打ち止めを示唆したということは、次のアクションは「金融引き締め」ではなく、「金融緩和」になる可能性が高いです。

 

つまり、24年以降は割引率(金利)が下がる可能性が高いわけですから、会社の値段も上がりやすくなると言えるのです。とりわけ、高PER株の多い小型グロース株ほど金利低下の恩恵を受けるため、株価は大きく上昇することが予想されます。

 

 

<四半期決算>
小型グロース株投資で「金利」の次に大切なことは「四半期決算」です。

 

なぜなら、新しいビジネスは投資家からの信頼が薄い関係で、四半期決算だけが投資判断の試金石になるからです。そのため、投資家は「良い決算」を出した銘柄だけに注目してください。

 

四半期決算で注目すべきポイントは、EPS、売上高、ガイダンスの3つで、「良い決算」の条件はこの3つすべてが市場予想を上回った決算のことです。反対に「悪い決算」とは、このうち一つでも市場予想を下回った決算のことです。

 

 

<良い決算の例>
・EPSは予想1ドルに対して、結果1.2ドルでした。
・売上高は予想10億ドルに対して、結果12億ドルでした。
・ガイダンスは通期の売上高見通しが予想50億ドルに対して、新ガイダンス55億ドルが発表されました。

このような「良い決算」が発表された場合、投資家は「買い」、あるいは「買い持ち」の判断ができます。(※決算発表直後に株価が20%以上急騰した後だとしてもです。)

 

 

<悪い決算の例>
・EPSは予想1ドルに対して、結果1.2ドルでした。
・売上高は予想10億ドルに対して、結果9億ドルでした。
・ガイダンスは通期の売上高見通しが予想50億ドルに対して、新ガイダンス60億ドルが発表されました。

 

このような「悪い決算」が発表された場合、投資家は「売り」の判断をします。(※決算発表直後に株価が20%以上急落した後だとしてもです。)

 

小型グロース株は決算内容次第で、1日のうちに20%急騰(あるいは急落)することも珍しくありません。そのため、決算に先回りして買う(あるいは売る)というアイディアもありますが、これは同業他社が相次いで好決算(あるいは悪い決算)を出した場合のみ有効だと思います。

 

また、良い決算を出した銘柄は、次の決算も、その次の決算も良い決算を出す可能性が高い一方で、悪い決算を出した銘柄は、次の決算も、その次の決算も悪い決算を出す可能性が高いです。そのため、悪い決算を出した銘柄は必ずすぐに売るようにしてください。

 

投資の初心者ほど銘柄に惚れ込んで、「バイ&ホールドすれば、いずれ大化けするに違いない」と信じる傾向がありますが、その末路が破産申請したウィーワーク(WE)なら、代償はあまりにも大きく取り返しがつきません。

 

 

<売上高成長率>
小型グロース株に投資する上で、「金利」と「四半期決算」の次に大切なことは「売上高成長率」です。

 

なぜなら、そもそも小型グロース株に投資をする理由は、大きな値上がり益を期待して投資をするわけですから、売上高成長率が低いと達成できないからです。

 

たとえば、小型グロース株が大化けする時というのは、売上高やEPS(一株当たりの利益)が急成長していることに加えて、PERが50倍から100倍、100倍から300倍といった風に、高いバリュエーションが付与されることで実現する場合が多いです。

 

そのため、小型グロース株に投資をする場合は、売上高成長率が少なくとも25%以上が望ましいです。

 

また、売上高成長率が加速している銘柄も良いです。たとえば、第1四半期が+100%、第2四半期が+50%、第3四半期が+25%と次第に減速しているようなら、第4四半期は10%台に減速している可能性が高く、グロース株とは言えなくなるかもしれません。

 

その一方で、売上高成長率が第1四半期が+10%、第2四半期が+15%、第3四半期が+25%と徐々に加速しているようなら、第4四半期は横ばいかそれ以上が期待できますから、投資妙味があると言えます。

 

 

<チャート>
小型グロース株投資をする上で、最後の決め手となるのは「チャート」です。

 

なぜなら、チャートにはファンダメンタルズであれ、投資家心理であれ、あらゆるものが株価に反映されていると考えられるからです。

 

たとえば、値動きとは需要と供給の変化を反映していますから、価格が上昇していれば、その理由がなんであれファンダメンタルズが強いことを意味し、反対に価格が下落していればファンダメンタルズが弱いことを意味しています。

 

そのため、上昇トレンドを形成しているような銘柄にのみ投資するようにしてください。仮に「良い決算」が発表された銘柄でも、安値を更新してチャートが崩れている場合は、どこかに問題を抱えている可能性がありますから、敬遠した方が賢明だと言えます。

 

 

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3小型グロース株投資で注意すべき3つのポイント

 

<ポートフォリオ>
小型グロース株は非常にボラティリティ(価格変動率)の高い投資対象ですから、ポートフォリオの一部に留めるようにしてください。

 

たとえば、慎重な投資家なら10%までに、平均的な投資家なら20%までに、積極的な投資家なら30%までを目安にして、残りの大部分はS&P500インデックスファンドなどのパッシブ運用を心掛けるようにしてください。

 

仮にポートフォリオのすべてを小型グロース株で運用してしまうと、値動きが気になってしまい、日々の生活に支障が出てきてしまう個人投資家も少なくありません。

 

 

<保有銘柄数>
保有銘柄数は10~20銘柄程度を目安にしてください。

 

これは、小型グロース株は四半期決算だけが投資判断の試金石になるため、仮に2~3銘柄のみに集中投資してしまうと、次の四半期決算ですべての銘柄を売らざるを得なくなる可能性があるからです。

 

しかし、30~40銘柄と増やせば、1銘柄当たりのリスクが小さくなる分、リターンも小さくなってしまいますから、個別株投資をする意味が薄れてしまいます。

 

 

<売買タイミングと保有期間>
繰り返しになりますが、小型グロース株は四半期決算だけが投資判断の試金石になります。そのため、売買タイミングは良い決算が出たら「買い」、あるいは「買い持ち」と判断し、悪い決算が出たら「売り」と判断します。当然、積立投資はできません。

 

また、保有期間も決算内容次第になりますから、2年以上に渡って買い持ちできる銘柄がある一方で、3カ月後には手放さなければならない場合もあります。

 

そのため、小型グロース株への投資は決算の精査など管理に手間がかかりますから、こうしたことが煩わしいと思うならバンガード・小型株グロースETF(VBK)といったETFを活用するのも有効です。

 

ちなみに、本記事の最後に直近の四半期決算で「良い決算」を出し、売上高成長率が25%以上の小型グロース株を一部抜粋し紹介していますので参考にしてみてください。

 

 

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4moomooで小型グロース株を分析する方法

 

小型グロース株を分析する際、moomoo証券株式会社が提供するアプリmoomooは非常に便利です。実際、ぼくも小型グロース株を分析する際にはmoomooを利用しています。

 

たとえば、言語学習アプリを運営するデュオリンゴ(DUOL)の四半期決算を調べたい場合、メニューバーから「分析」をタップして下にスクロールしていくと「予測」とありますから、EPSと営業収入(売上高)の予測値と実際値を調べることができます。

 

少なくとも3四半期連続でEPSと売上高が市場予想を上回っていたことがわかります。

さらに「損益計算書」から、四半期毎の売上高成長率を確認することができます。グラフを眺めると、デュオリンゴが毎期40%を超える成長を実現していることがわかります。

加えて、(左図)週足チャートを眺めると、出来高を伴って新高値を更新していることがわかります。通常、出来高を伴って新高値を更新した銘柄は、そこからさらに上昇する可能性が高いと考えられていますから、デュオリンゴが将来有望銘柄であることがわかります。

 

ちなみに、(右図)ニュースをタップすれば、デュオリンゴに関する最新のニュースを取得することもできますから、株価が大きく動いた時などにチェックするといいと思います。

 

グッドラック。

 

 

5小型グロース株一覧(厳選20銘柄)